ロサンゼルスへのダンス留学を決心。しかし、いざ、留学準備をはじめると聞く「ダンサーは学生ビザを却下されることが多い」の声。
これは本当でしょうか?本当ならばダンサーにとっては不安でいっぱい( ;∀;)
しかし、残念ながら現状から言うとこれは本当です。私どもの元にもほぼ毎月のように「却下されてしまったのだけど、どうしたら良いですか?」と相談に見えられます。
特にダンスを本気でやっている人ほど難しく、却下された悲しい声を聞くたびに胸が痛くなります。
弊社は学生ビザの申請を年間数百件お手伝いさせて頂いております。却下された人の再申請も可能ではあるのですが、難易度は格段に上がります。一度却下された判定を覆すのは簡単ではありません。
よって、出来るなら一発で通したい。そこで、ここではダンサーの人のビザ申請の却下されないポイントについて解説します。
もくじ
そもそもビザ(査証)ってなに?
まず、ビザって何?って言う人のために簡単に説明しておきます。
アメリカは90日間、つまり約3ヶ月を超えて滞在する場合、何かしらのビザ(査証)、つまり滞在許可を取得しなければいけません。
ようは誰でも彼でも入国を許してたらアッと言う間に不法移民やテロの温床になります。ビザを取得するにあたって審査をかけ入国や滞在期間を制限することで、移民官がアメリカという国、国民を守っているのですね。
※これはアメリカ以外の国でも同じ。日本でもビザの制度はあります。
よって、このビザの申請は誰でも受理してもらえるわけではありません。人によってはアメリカへの入国、滞在を却下され、留学を許されない場合があるのです。
ダンサーにとってビザを取得するのは難しいのか?
一般的にダンス留学をする際に取得するビザのカテゴリーはF。つまり学生ビザです。学生ビザを取るということは、どこかしらの学校に通う必要があると言うこと。よって多くの留学生は近場の語学学校に通うこととなります。
このビザが何気にダンサーにとっては難しい
学生ビザは一般的に日本人であればほぼ申請は受理されます。確率で言うと90%は越えると思います。しかし、逆を言えば、一部の人は却下されると言うこと。
ショックは受けないでもらいたいですが、この一部の却下された人に事実ダンサーは多い。もっと言うと実は学生ビザを却下されている人の半数近くがダンス、美容系、マッサージ系など手に職系の仕事の人なのです。
それがあえてこの記事を書いている理由でもあります。ダンス留学の最初の壁はビザだと言っても過言でないのです。
ダンサーがビザ取得に不利な3つの理由
ダンサーがなぜ却下されてしまうのか?その理由は3つあります。
1)手に職系の人は不法労働を疑われやすい
2)職歴がゆるい人が多く、留学の目的を伝えにくい
3)資金力に乏しい人が多く、アメリカにメリットが少ない
それぞれについて解説していきます。
①手に職系の人は不法労働を疑われやすい
アメリカはアメリカ人の仕事を奪う可能性のある人にはあまりアメリカ国内に長く居て欲しくないと思っています。そう言う意味でダンサーの様な手に職系の人は嫌がられる傾向にあります。
手に職系の仕事は、毎月固定給で働くというスタイルより、1回の仕事でいくら?というスタイルの人が多い。つまりキャッシュでやりとりがしやすいんですね。つまり裏仕事が多いのです。
また、ダンサーは現地で様々なオーディションに応募し、舞台に上がり、実績を作ろうとする人が多い。しかし、日本人がアメリカで活躍することはアメリカ人のポストをひとつ取るということにも繋がってしまうのです。
つまり、日本人が現地で活躍することはアメリカにとっては失業率を上げると言うこと。マイナスでしかないのです。
②職歴がゆるい人が多く、留学の目的を伝えにくい
基本的に留学(学生)ビザは留学生する人のためのビザです。と言うことはアメリカで学ぶ目的・動機を伝える必要があります。
この目的。なぜアメリカなのか?アメリカでないといけないのかを疑われるとビザに却下される可能性が高まります。
例えば、将来、フライトアテンダントになりたいと言う人がいるとします。
Aさん:フライトアテンダントの養成学校卒、TOEICも800点のハイスコアを保持。
Bさん:高校卒業後、アルバイトを転々とし、定職のはついた経験がない。
この場合、同じフライトアテンダント志望でも、目標に向かって努力をしている形跡のあるAさんの方が説得力があります。Bさんも面接の回答次第でビザは取得できますが、Aさんよりは却下される確率は高まるでしょう。
留学の目的を伝えるには、長期計画を練り、それに基づいた経験をしていること。過去には戻れませんが、引き出しは多い方がストーリーは描きやすいと言うことになります。
③資金力に乏しい人が多く、アメリカにメリットが少ない
正直な話、アメリカは現金な国です。お金を落としてくれて、危ない人でなければ、極論誰でも良いのです。
言いにくい事ですが、これは事実です。
お金という意味で、ダンサーはあまり美味しいお客さんだと思われていません。もちろんダンサーにも成功している人は多数います。しかし、日本で活躍しているお金持ちダンサーはすでに活躍していて、修行のためにロサンゼルスに来るという選択肢はあまり取らない。むしろトップを走れる時間が長くないからこそ、スピードを緩めことをせずに芸能界をトップスピードで走り抜けようとする人が多い。
結果としてロサンゼルスに来るダンス留学生は、どちらかと言えばこれから伸びるプロの卵が多いのです。
まだ卵と言うことはまだ、資金力に乏しい人が多いと言うこと。つまり現地で生活をするために何かしらの仕事をしないといけない。結果として不法労働をする可能性が高いので警戒されてしまうのですね。
アメリカでビザを却下されるとどうなるのか?
まずはビザ却下されたという記録が残ってしまいます。これがやっかい。以後ビザ申請は少なからず厳しくなります。通常旅行の時に申請するESTAですら、通常ならコンピュータで自動処理されるが、人の目を介し、厳しくチェックされるようになります。
場合によってはESTAですら受理されない。つまり旅行ですら難しくなってしまい、入国審査でもいろいろ根堀葉掘り聞かれるようになってしまいます。
ビザ的に厳しいと思ったら専門家に相談すべき
ダンス留学希望者はビザの事はしっかりと専門的に見てもらえる人に聞くべきだと思います。
中にはダンサー同士のつながりで現地の友人から情報収集し、全部自分でやる人も少なくありません。確かに上手くいけば余計なコストがかからずに良いかも知れません。が、友達がビザ申請にパスしたからと言ってあなたがパスするとは限りません。事実、却下されて相談に来ている人がこれだけいるのです。
慎重にいって欲しい、そう切に願います。
アメリカ移民局は、どういう人を通して、どういう人を却下しているかを公開していません。つまり、攻略法はなく、そのノウハウは自分たちでやってみて原因を分析し対策を講じるしかありませんん。だからこそ経験がものを言います。数多くの申請経験がある、しっかりとした留学エージェントを使うべきだと思います。もちろん、弊社もダンス留学もサポートしているので気軽に聞いてもらいたいと思います。
ダンサーのビザ申請の注意点
それではここでは注意点を簡単に書いておきます。ただし覚えておいて欲しいのは、10人いれば10人申請書類も面接での質疑応答の回答も異なります。
あくまでも参考に。完璧にしたいのであれば一度、話を聞きに来て下さい。オフィスは新宿です。
出来るだけ隠す
ダンサーであることを言わないで良いなら、言うのは止めときましょう。もしあなたがダンサーとしてすごい実績があり、過去の経歴をそれ抜きでは語れないほどの方ならば別ですが…。
あくまでも一般的な話しですが、例えば会社の事務をしながら、ダンスをやっているのであれば、会社の事務を経歴として進めていきます。
ストーリーを考える
ダンサーであることを隠しながら、経歴を考えるのは難しいかもしれない。が、このストーリーがビザ申請の基本となりますので、必ず考えて戦略を立てましょう。
①過去にやってきた事、経歴
②現在やっていること、職業
③留学中に学ぶ学問分野
④未来にやりたいこと
まずはそれぞれを書き出してみましょう。一環としたストーリーを考えながら、過去の実績や、現在の自分がやりたいこと。そして未来にどうなりたいのか?それを実現するたなぜ留学が必要なのかを考えていきます。
①過去に美大を卒業
②現在は大手食品メーカーで事務員
③語学学校(実際はダンスがメインでも)
④将来は旅行会社で働きたい
このような例だとやりたいことが一環していないので、いろいろと突っ込まれ却下の理由とされてしまう可能性が高まります。
残高証明書を準備する
あなたがいくら持っているのかを証明するのが残高証明書です。実際に銀行や郵便局にいって、証明書を出してもらいます。前述したようにアメリカは現金な国です。ビザや人によって例外はありますが、通常は金額は多ければ多いほど受かりやすいです。
1年間の留学であれば最低300万円は用意したいところです。ただし、金額が大きければ大きいほど良いからといっていち学生が1億とか持っていたらもっていたら、それはそれで不自然。突っ込まれる対象となりますので注意してください。
帰国を裏付ける
アメリカ移民官が申請者のどこを見ているか?本質的にはこのような事を考えて面接をしています。
「この人にビザを与えたら、アメリカに得があるかな?」
そんな中、アメリカ移民官がいちばんやって欲しくないことが、帰国しない、つまりアメリカに居座ることです。帰国しない=生活費がかかる=仕事をする
極論を言えば、お金もちがまじめに学校に通い短期間でお金をポンと使う。使ったらささっと帰国してもらう事が証明出来れば誰でも申請は通ります。
ダンサーって言う?言わない?
上の写真はお客様がビザ面接を受ける前に行うビザ面接シュミレーションで使う資料です。
これを使って問答のやり取りをしてみるのですが、その中で良くある質問がこれ。
「ダンサーって書くと却下されやすくなるのであれば隠した方がいいのか?」上記でも少し触れていますが、良く聞かれるし、回答もしづらい部分なので少し深掘りします。
まず、はじめに言っておくと、アメリカ移民官は「嘘」に対して敏感です。申請書類や面接では、嘘をつくのは止めましょう。一度嘘が発覚すると大変。その後の申請に相当響くと思っていた方が良いでしょう。1週間のハワイ旅行すら簡単にいけなくなりますよ。
嘘はダメ。しかし言わなくて良いことは言わなくてもいいのです。例えば、すでにダンサーとして実績があり、それ以外の仕事をしないでも食べれていける。こんな場合は、経歴にダンサーと書くか悩みどころです。
書かないと職業欄が薄くなり、良くない印象を持たせてしまう場合もあるでしょう。逆に、ダンスをやりながらバリバリ他の仕事をしている人なんかはあえてダンスのことを書く必要はないかもしれません。このへんはあなたの過去や職歴などによって判断すべきところです。
米国ビザ申請にはテクニックがあります。
ビザ申請書類にどう書くか、面接でどう言うかは、結局はあなたという人物をどう表現するかです。これは言ってみれば就職面接のようなもの。先方さんが求める人材像を想像し、そこに自分の良い部分をどう表現し、合わせていくか。
つまりアメリカがどんな人を求めていて、自分にビザを取らせるとどれだけアメリカにとってプラスかを伝えるのです。
アメリカの学生ビザ申請はしっかりと準備をすれば却下される確率は下げれます。これは毎年500件近いビザ申請をサポートしている私たちの実績を見ても明らか。
年間30件程度は却下された人から相談も受けますが、大体の理由は準備不足です。しっかりと準備をし、渡米し、ぜひ夢を実現して下さい。
もちろん弊社から留学サポートサービスを受けて頂くと強ーいビザサポーターがついてきます。カウンセリングを受け、まずはお気軽にご相談ください!
【2019年1月29日更新】