勢いでロサンゼルスにダンス留学へ来たけど、このあとどうすればいいだろう。ちゃんとロサンゼルスでダンサーとして働けるかなぁ?
こんなお悩みの方も多いはずです。
そんな質問に答えるべく、今回は学生としてロサンゼルスに来て、アーティストビザ(Oビザ)取得後ダンサーとして生計を立てているAimieさんにインタビューをしました。
正直、アメリカで働けるというのはなかなかハードルは高いですが、学生から来て働けるようになる人もいるんです。
これからダンス留学される方へのメッセージもありますので、ぜひ最後までご覧くださいね。
もくじ
ダンサーとしての夢を叶えたAimie Nakajimaさんのプロフィール
アメリカのロサンゼルスを拠点とし、ラテンダンスを主に、ヒップホップ、ポリネシアンなど
様々なパフォーマンスや大会にて活動中のアワード受賞ダンサー。
2018年、ラテンダンスの世界大会World Salsa Summitで優勝・日本人女性として初の世界チャンピオンになる。
また、2019年にはIDDM Dance Competitionでも優勝。
大学留学を通して渡米、日本での幼い頃のクラッシックバレエをはじめ、ヒップホップ、ジャズ等を経て米在学中にサルサダンスとの衝撃的な出会いを果たす。
ラテンダンス界のワールド・チャンピオン達からの指導の元、サルサダンサーとして、2015年WorldLatin Dance Cupでのセミファイナリスト
そしてラスベガスで行われた世界規模のラテンダンス大会、2016年Ultimate Latin Dance Championshipで優勝した事がきっかけとなりアーティストビザ(Oビザ)を目指す。
この事で自信が付き、ダンサーとしてステージ上のみではなく、映画出演やアーティストのバックダンサーとして様々なショーやミュージックビデオなどにも道を広げる。
ラテンダンス以外での振り付け師には、So You Think You Can DanceやAmerica’s Best Dance Crewの審査も務めたShane Sparks
アイリッシュ・ダンスのチャンピオンのEmily Snell等に指導されインスピレーションを受ける。
ダンスカンパニーからのトロフィー受賞や、アメリカ映画に出演しIMDbに載ったり、地元記事に取り上げられる等努力の結果
ダンサーとして卓越した能力または業績を有する者のみに与えられるアーティストビザ(Oビザ)を勝ち取る。
現在ではアメリカのダンスカンパニーに所属しながら、大会の審査員、世界的に有名なローズパレードやラスべガスのMGMアリーナへの出演など多方面で活動している。
その後、O (アーティスト)ビザの次のステップと言われるアメリカのEB (アーティストグリーンカード)永住権取得。
Dance Reel:https://vimeo.com/229777683
ダンス留学中に3つのしておくべきこと
私はサンタモニカカレッジSMCへ入学後、4年制のカリフォルニア州立大学・ノースリッジCSUNへ編入しました。
サンタモニカカレッジでは、基本のバレエ、ジャズ、モダン、コンテンポラリーのみならず、ヒップホップ、サルサ、アフリカンなど世界中のジャンルを幅広く受講することができました。
更に、カレッジ内には2種類のパフォーマンスダンスカンパニーもありました。これは実際のステージで踊ることを目的とし、オーディションを通り選ばれた生徒達が入ることができました。
私は両方のダンスカンパニーに受かり、ヒップホップ、バレエ、ジャズ、ハワイアン、スイングダンスに出演しました。
その他にもカレッジのチアリーダーとしても活動しました。
CSUNに入ってからは、大学のヒップホップ、サルサ両方のダンスチームに受かりましたが、現地で仲良くなったダンサー友達の紹介で大学外でのダンスカンパニーに入りました。
結果、様々な大会や、実際に世界で活躍するプロダンサーから本格的なトレーニングを受ける事ができ、最終的には自身も世界チャンピオンになることができ、アーティストビザ(Oビザ)取得に繋がりました。
このような経験から、アーティストビザ(Oビザ)取得を目指すのであれば、留学中にぜひ3つのことをしてもらいたいと思っています。
ダンススタジオに通えるだけ通う
当たり前といえばそれまでですが、とにかくダンススタジオへできるだけ多く通うことです。
学生割引が使える所が多いので、安くレッスンを受けられるのが学生の特権です。
当時を振り返ってみると、私はダンス専攻ではなかったので踊る事は趣味程度、実際には学校から出る大量の課題と勉強に追われていました。
人気のダンススタジオも私が当時住んでいた場所からとても遠く、ちょうど通勤時間と重なり混雑(片道2時間以上!)だったこと
クラス料金を払い続けることが難しいということもあり、続けて通うことがなかなか厳しかったです。
私はダンススタジオに定期的に通えない分、大学の授業としてダンスクラスを取りました。ダンス専攻のある大学で卒業すると学位がもらえるので将来の就職にとても有利になると思います。
ビデオや写真をたくさんとる
私の場合は1回1回のダンススタジオに通うことが特別だったので、今思えばもっとビデオと写真をとればよかったと思いました。
自分の踊りを客観的に見る事でどの部分の動きを練習すべきかなど、鏡ではわからないところに気付けます。
自分を売り込むときやダンスリールを作るときにもとても役立ちます。
楽しむ事が一番!
楽しくなければダンスじゃないです。楽しんで踊れている時は一番輝けて成長できます。
私はスランプに陥ったとき、もっと技術を向上させようと自分にプレッシャーをかけ、それが逆に裏目に出てなかなか自分の思うような踊りができなかった時期があります。
ストレス発散で踊っていたはずが、頭に描くように踊れない為逆にストレスになっていました。怪我や体調を崩したこともあり、だんだんと踊る意味がわからなくなり完全にダンスを辞めていた期間もありました。
それでも結局気付いたら踊り始めていたので、私にとってダンスとは切っても切れない関係なのだと改めて実感しました。
ダンサー人生において行き詰まる事、壁にぶち当たることは何度もあると思います。その都度がむしゃらにならず、冷静になって自分を見つめ直す良い機会だと思って、一息おくのも重要かもしれません。
ダンス留学で聞きたいことなどあれば、お気軽に以下からどうぞ。
アーティストビザ(Oビザ)の取得方法
それでは、どうやったらアーティストビザ(Oビザ)を取得できるか、その方法をお伝えします。
自分の専門分野においての卓越した能力・実績の証明の仕方が重要です。
1番シンプルなのは、アカデミー賞、エミー賞、グラミー賞などの国際的に権威のある賞の受賞又はノミネートされた事実を証明する資料の提出をすることです。
もしくは、以上ほど卓越していなくとも十分可能性はあります。
以下6つのうちの3つ以上(多ければ多いほど良い)を提出できる人にOビザ取得資格があります。
1.著名なイベントや作品、公演で主役またはスター級な役割を果たした(果たす予定がある)。
2.功績を新聞や専門雑誌などの主要メディアで大々的に取り上げられた。
3.国内外で評価のある団体や組織の一員として主要な活躍をした。
4.出演作が国内外において大きな業績を上げた。
5.著名人、著名な団体、評論家、専門家から高評価を得た。
6.能力・業績に匹敵するような高い収入を得ている。
アーティストビザ取得を成功させる為には、過去・現在・未来のたくさんの証拠集めが重要になってきます。
アーティストビザ(Oビザ)専門の弁護士に依頼する
とても大事なのは、専門の弁護士に依頼することです。決して安いものではない、人生を左右する大きな決め事では、数々の経験を積む移民のプロの手を借りることを強くお勧めします。
メディアに露出する
様々な弁護士さんに相談する時に決まって聞かれたことは、メディア露出の有無でした。
大会で優勝したり、世界規模のステージでパフォーマンスしたり等の過去の実績と共に、自分の事が紹介されている新聞記事や雜誌インタビューなどは取得条件に欠かせません。
この項目が欠けていると取り合ってもらえない弁護士事務所が大多数です。
目標はアメリカのビザでも、日本での活動を怠ってはいけません。毎年ビザ条件が厳しくなっているので、自分の国での経歴も審査の対象になります。
私の場合は数々のダンスパフォーマンスを含めヒップポップダンスバトルで勝利したり、国体開会式ダンサーに選ばれ天皇陛下の前で思いっきり踊ったりしました。
確実にアーティストビザを取りたいのであれば、大会やダンスバトルにどんどん出場することをお勧めします。
アメリカ移民局にとっては全て書類上の審査となる為、いくら上手なダンサーであり、自分のクラスを持って教えていても、ダンスの先生よりショー出演の量、出演数よりも大会での受賞、優勝やトロフィーの数が勝ります。
影響力のある人から推薦状をもらう
影響力のある著名人からの推薦状&彼等の経歴を10枚ずつ集める必要がありました。
手紙を通しても自分はトップクラスであるとアピールするチャンスなので、成功しており抜き出た能力の持ち主/国際的に必要不可欠な人材、と推薦状にも書いてもらうことで説得力が増します。
日本語書類がある場合は「自分以外の」バイリンガルの方からの日本語から英語への翻訳も必要です。
ビザスポンサーをしてくれるアメリカ会社に所属する
よく忘れがちですが、ビザをスポンサーするアメリカ国内の会社またはエージェントがあることは大大大前提です。
アーティストビザを申請するには、将来の雇用主(マネージャー・エージェント・ダンスカンパニー等)が請願を行わなければなりません。
将来どれほどの間、どの様な内容の仕事をするのか等の契約の提出が必要となります。 私の場合は芸能事務所(タレントエージェンシー)でした。
オーディションに受かり、更に自分のビザスポンサーに同意してもらわなければならないので、余裕を持って早めに話を進めることをお勧めします。
就労ビザはビザスポンサーがいることが絶対条件となり、自分での申請は認められていません。ダンサーだと、タレントエージェント、マネージャー、ダンスカンパニー、ダンススタジオ等探せばたくさん出てくるので、諦めずにオーディションを受け続けるなど色々な所にあたってみれば必ずあなたのことが欲しい人に巡り会えます。
アーティストビザ(Oビザ)取得後の活動
一番嬉しかったのは、「World Salsa Summit」のサルサチーム部門で優勝し、World Championになれたことです。
その後もロサンゼルスで行われた「Mega JK Salsa Teams Competition」にて、メキシコからの強豪チームを破って1位になる事ができました。
他にも、全米中が注目し毎年TV放送もされるHollywood Christmas Paradeに出演したり、オランダからのアーティストとXFactorにも出演した実力派歌手&ダンサーとコラボレーションしたり、オーディションのスペシャルゲストとして呼ばれ審査員を務めたり、乳ガンなどのイベントでのレッスンや出演等、刺激的で充実した日々を送っています。
また、年初め2019年1月1日(火)に、130年目のアメリカ伝統的イベント、ローズ・パレードRose Paradeで元気に躍りました!
グラミー賞にも輝いた世界的なバンドKool & the Gangと共演で、アメリカで大人気のワイン、ステラロサStella Rosaのパレード車の出演です。
ロサンゼルスで夢を叶えよう!Aimieさんからのメッセージ
もしロサンゼルスに来ようか迷っている方がいたら、是非一度来ることを強くお勧めします!行動してみなければわかりません。
ダンスは世界共通言語なので、言葉が不安でも人と人とを繫ぐことの出来るとっても素敵なものです。私もダンスを通じて沢山のお友達ができました。
その他にも、アメリカには年齢・性別・国籍関係なくチャンスがどこにでも転がっています。特にロサンゼルスでは様々な人種やバックグラウンドを持った人々と常に触れ合うことができるので世界が見え、視野が広がるだけではなく、ダンスの幅も広がります。
異国の地でゼロからスタートする事は容易な事ではありませんが、ロサンゼルスの元気なエネルギー、明るい気候や人々の暖かさに助けられ、とても恵まれた状況にいる事に毎日感謝しています。
私は最初の一歩を踏み込んで今現在アメリカに住み、自分が常に様々な面で成長している事を日々実感しています。
ダンサーは努力家なので、皆さんの成功を信じています。
ダンス留学で心配な場合は、ダンスサポートもしています。お気軽にお問い合わせしてくださいね。
【2020年2月29日更新】